こんにちは!
中小企業診断士で事業再構築補助金では飲食店が得意なこっさんです。
- 新規店で事業再構築補助金を活用したいけれど個人事業主も大丈夫?
- 新規店を行いたいけれど資金的にちょっと厳しい・・
- 新規で開業は決定しているけれど、できれば少ない資金で行いたい
- 新規店のために金融機関にお金を借りようか迷っている
以上のことで悩んでいるあなたに、是非とも参考にしていただきたいと思います!
まず、「個人事業主」でも事業再構築補助金の申請が可能かどうかですが、、
個人事業主でも可能です!
ふ~ん。
あっそ。。
。。。
最初に結論を言いましたが、そうなると補助金額や補助率も気になりますよね?
いえ、別に。。
興味なくても聞いてあげるでしゅよ。。
ということで今回は、補助金額等の内容と実際に「飲食店」で補助金額が1,000万円の申請内容のお話をします!
なになに?
飲食店だと?
しかも、1,000万!?
また出てきやがったよ。。
おまえはアパレルだから関係ねーだろ?
いやいや、俺は飲食店も経営したいから、興味あるんだよ!
どうせすぐ潰れるんだから、やめといた方がいいぞ。
二人とも仲がいいでしゅね。。
今回の案件は、飲食店の補助金申請に加え経営相談も行いましたので、その時の話をしたいと思います!
個人飲食店の事業再構築補助金額はいくら?
「事業再構築補助金」は新規事業を行うための補助金であり、下記の要件が必要となります。
- 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は 2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること。
* 売上高に代えて、付加価値額を用いることも可能 - 事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うこと。
- 事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定すること。
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均 3.0%(グリーン成長枠は 5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%(同上 5.0%)以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること。
うわ、なんか難しいな。。
確かに難しいかもしれませんが、簡単に言えば「売上減少」していると共に「新規事業」を行うことが前提条件になります。
そして、個人事業主でも事業再構築補助金の申請は可能だと言いましたが、「申し込む枠」や「従業員数」によって貰える金額と補助率が変わってくるんですね!
ちなみに従業員とは、正社員だけではなく、契約社員、アルバイト・パートなど、雇用契約を結んだ労働者全てが含まれます。
なので、従業員数にもこれらの労働者をカウントしますが、会社法上の役員は従業員数には含まれませんので注意が必要です!
また「個人事業主」も「中小企業」に含まれるので、それを踏まえ、枠と従業員数を下記の中小企業庁の資料でご確認ください。
【通常枠】
【回復・再生応援枠】
こちらは①の30%減少要件が必要となります。
【最低賃金枠】
最低賃金枠は名の通り、最低賃金要件が必要となります。
【グリーン成長枠】
グリーン成長枠は他の枠よりも補助金額は大きい(最大1億~1.5億円)ですが補助率が低いため、個人事業主向けではなく大きい会社向けになります。
【緊急対策枠】
緊急対策枠は他枠と違い、5人以下でも最大で 1,000万円まで補助されること、6人以上だと2,000万円まで補助されることが魅力です。
また、2022年度の売上が悪い場合に使える枠になります。
しかも「緊急対策枠」は中小企業(個人事業主)だと補助率が3/4となるんですよ!
なので、個人事業主は「緊急対策枠」もしくは「回復・再生応援枠」を使うことが多いんですが、従業員が5人以下の場合、「緊急対策枠」では 1,000万円まで貰えますが、「回復・再生応援枠」では 500万円までとなります。
例えば5人の会社で、「緊急対策枠」最大の1,000万円の補助をもらう場合、
- 6,666,666円までの費用が、3/4の補助率で 500万円の補助
- プラス7,500,000円までの費用が、2/3の補助率で 500万円の補助
- 合計14,166,666円申請して、最大10,000,000円の補助が受けられる
となるのですが、少しややこしいですよね。笑
なので、もし3/4の補助率にこだわるのであれば、約666万円までの費用に抑えて500万円の補助を受けとればいいわけです。
まあともかく、1000万円もらえるんだろ?
別にタダであげるお金ではありませんが。。
新規事業で必要な費用が補助されるだけです!
でも、凄いですよね。。
仮に1,000万円の補助を得たとします。
飲食店の営業利益が10%として、同じ1,000万円の現金を得るには、売上が1億円必要になるのです!
確かに1億円の売上と考えると凄いな。。
しかも、銀行から 1,000万円を借りることですら難しいのに、条件はありますが、補助金は返す必要のないお金ですよ!?
そう考えると、個人事業主にとっては、この「事業再構築補助金」を活用しない手はないのではないでしょうか!!
なので、是非とも活用することをおススメします!
では次に実際の「事業再構築補助金」の飲食店事例をご紹介します。
個人事業主の飲食店の開業事例
私は事業再構築補助金の事業計画作成支援を行っておりますが、けっこうな割合で飲食店が多いんですね。
居酒屋から串カツ店、イタリアン等。。
ただ、残念ながら飲食店の採択率は、、
100%です!!
その前振り、いる?
ただの自慢じゃねーかよ。。
ムカつくヤツだな。。
すいません。
自慢話でした。笑
で、今回ご紹介する案件は、
- 個人事業主の居酒屋1店舗
- 申請金額は 1,500万円で 1,000万円の補助
- 新規事業は店を全面改装して高級居酒屋にしたい
以上の内容だったのですが、正直、新規性が乏しい。。
なので、申請内容には工夫が必要だと感じました。
とりあえず、、まずは3期分の決算書を見せてもらいましたが、コロナの影響もあって、かなりの営業赤字だったんです!
ただ、経常利益を見ると辛うじて黒字。。
どゆこと?
そんなことも分からねーのかよ?
つまり、宝くじが当たったんだよ!!
違うと思うでしゅ。
まあ、似てるところはあるのですが、、支援金ですね!
コロナ支援金は雑収入であり、営業外利益になるので、経常利益が黒字になっていたのです!
なので、飲食店の家賃がかからない、安い店は支援金でウハウハ状態かもしれませんが、繁華街の飲食店が地獄なのは本当でした!
コロナ融資が金利が安いとか数年据え置きだとしても、結局は借りたお金なので返済しないといけませんし。。
しかもコロナ融資をかなり使っていると、返済が大変になると思います。
ただ、今から飲食店を行うのであれば、もうコロナ前の状態に戻らない前提で収益計画を立てる必要があります!
経営相談を行ったこの飲食店も経営はかなり厳しく、抜本的な見直しが必要だということが分かりましたし。。
それはさておき、実際に飲食店に行って食事をさせてもらうことにしました。
その後でヒアリングを行うことにしたんですね。
では早速、呼び出しボタンを押して注文をしてみます!
「ピンポーン」
。。
「ピンポーン」
。。。
「ピンポーン、ピンポーン」
。。。。
誰も来ねーし。。
こちらとしては、この後にヒアリングがあることもあり、あまり文句を言えないのがつらいんですよね。。
なので何とか堪えましたが、20分ぐらい誰も来なかったです。本当ですよ!
一般客として来ていたら、マジでブチ切れですね!
そんなヤツ、ボコボコにしてやればいいんだよ!
そうだそうだ!
仲いいでしゅね。
今までの飲食店でこんなに待たされたことがなかったので、ちょっとこの後のヒアリングがやりづらい。。(笑)
このお店、新しい業態として高級店にしようと考えているので、この接客ではちょっと。。
しかも、隣席が近く、飲み放題が安いために店内がうるさい!
本当に接待中心の高級店に変更するの!?
てな感じでした。。
そんな店、潰れちゃえばいいんだよ!
そうだそうだ!
で、安く買い取ってやるぜ!?
不幸が大好物でしゅね。
まあ、ヒアリングではもちろん、接客の問題は言いましたが。。
ヒアリングでは、ビジネスモデルの確認と強み弱みの確認をして、集客方法を考えることにしました。
結果、、
- 【店】高級居酒屋 ➡ ECサイトでオンライン販売、ケイタリングを含めた割烹事業
- 【ターゲット】既存顧客 ➡ 既存顧客 + 女性を含めた出張マンに特化
- 【集客方法】ホットペッパー ➡ それに加えビジネスホテルやスナック等と連携した集客
- 【販売】特になし ➡ ネット販売、高級弁当、ケータリング
上記の施策を行うことになりました!
割烹だけでは新規性が薄いため、ホームページやECサイトでの販売、お弁当、ケータリングを行うことにしたんですね。
これにより、新規性に加えキャッシュポイントが増えるため、売上の増加につながります。
また、既存顧客に加えて女性を含め出張顧客に特化することで、新しい顧客開拓を行いますが、単独ではなく以前から紹介いただいているビジネスホテルやスナックと連携することも新規性が出ますね。
売上にもつながるので、良い取り組みだと思いました!
強みが活きる方法であり、現実的で実行可能性が高い方法ですよね!?
加えて、割烹のため、飲み放題を無くしてうるさい客を減らすことを提案すると共に、メニューの文字が小さく、どれがおススメなのか分からないので、メニューを変更することにもしました。
余計なことすんなって。
安く買えなくなるだろ。。
潰れたほうが面白いのに。。
。。。
ただ、問題なのは数値計画です。
根拠のある数値計画を作る自信はあったのですが、いざ作ってみると、赤字、赤字、赤字!!
鼻血、鼻血、赤い鼻血ブシュー!!
てか?
ついでに、海老みそブシュー!!
やっぱり仲いいでしゅね。。
当然、キャッシュフローもヤバい!
きゃ、キャッシュフロー?
オッケー。。
きゃ、キャッシング?
OK牧場。。
。。。
FLコストである原価と人件費を足しても、少し高めですが何とか売上の60%以内に抑えているのに。。
なぜ!?
どうせ、銀座の酒池肉林代だろ!?
イエス!!
ついでに、パフパフ!
ぼ、僕も。。
正解は、広告宣伝費でした!
しかも、売上に連動する広告費だったので、抑えることが難しいんですよね。。
なんだ、つまんね。。
真面目か。
ちっ。
飲食業界によくある話で、どこかの広告に載せて、その広告を通じて集客を行うことが日常茶飯事なのですが、広告の単価が高い!!
なので、この飲食店の「損益分岐点売上高」がめちゃ高くなっているんです。
結果、コロナ以前の売上に戻らなければ黒字にならない経費体系になっていたんですね。。
でも、これではマズい!
ということで、独自で集客することに力を入れるため、ビジネスモデルを再構築しました!
結果がこちらです!!
よく見えねーじゃねぇか!
エロサイトかよ!!
お下品でしゅ。。
まあ、名前を出すのはマズイので、ごめんなさいね。。
ともかく、このビジネスモデル通りに実行し、広告宣伝費を抑えた集客を行うことで利益を出す計画にしました!
結果、計画3年目からは何とか黒字になると思います。
問題はそれまでに現金が不足しないかですが、、できれば金融機関から少しでも融資をお願いした方が良いとアドバイスもしました。
私の顧問先であれば、資金調達もお手伝いするのですが、残念ながら私の顧問先ではないので、ここまでで終了です。。
金は天下の回り物ってか!?
回りまわって、俺のポケットの中に?
おおきに!!
バカかも。。
飲食店の経費は原価と人件費以外もしっかりと見て、資金繰りに気を付けてください!
特に個人事業主だと資金的に余裕がある店が少ないうえ、もう支援金はありませんし、コロナ融資の返済も始まっていると思いますので。。
ともかく、今回の補助金申請も採択されれば、この飲食店には1,000万円の補助金が入りますからね!
採択されることを願っています!!
➡中小企業が補助金を使う本当のメリットとデメリット
➡新規事業で資金が足りない?「事業再構築補助金」が最強の訳
PS
この案件は無事に採択されました!
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