こんにちは!
中小企業診断士で下町のコトラー、こっさんです。
今回は小規模企業の後継者のお話をしたいと思います。
先日、実際に面談した会社になりますが、前社長(現会長)は65歳、後継者である長男は35歳というお互いに年齢が若い会社です。
次男が引き継いだのは3年前になりますが、現在、業績があまりよくありません。
加えて、新規事業を行おうとしているのですが、こちらもまだ軌道に乗らず社長は焦り悩んでおりました。
既存事業も新規事業もうまくいかない後継者の苦悩。。
この場合、どうすればいいのでしょうか!?
現状を分析し、課題・問題を把握し、強みを活かした解決策を見つける。
。。。
どこかで聞いたような言葉ですね。。
そうです!
私のブログで散々言ってきてることなんですよ!
経営に王道はありません。
後継者だろうが、事業承継だろうが、やることは一緒なんです!
強いて言うなら、後継者には下記の考えを持っている人が多いのが特徴です。
そして、事業がうまくいかない理由でもあります。
- 前社長(父)の言うなりになりたくないし頼りたくない
- 後継者になって会社がダメになったとは言われたくない
- 既存事業ではなく自分がやりたい事業で成功させたい
1と2は特に仲が悪い親子には多いですね。笑
ただ、3を実現させたい場合、1,2の考えが邪魔になりますし、今回面談した後継者もそうでした。
後継者は2代目なのですが、2代目は引き継いだ最初の方はうまくいかずに苦労することが多いです。
なぜなら創業社長はだいたい、知識や経験、行動力、実行能力が高く、後継者はまだそこまでの能力がないためなんですね。
まあ、苦労を重ねて何十年も商売を継続させているため、仕方ないですよ。
でも、後継者は自分の力だけで何とかしようとするから、空回りして、さらに焦ってうまくいかないの負の連鎖に陥ります。
私が面談した会社もそうでした。
前社長(会長)の力に頼りたくないから、後継者の方は自分で何とかしようとしていましたし、会長も知ってか、無理に仕事にかかわろうとしなかったのです。
しかも、この会社はよくある人員、人材不足で、社長一人では何ともなりませんでした。
この場合、後継者に真正面から説得しようとしてもうまくいきません。
なので、少し視点を変えてもらうことにしました。
後継者の方は新規事業を成功させたいと考えています。
現状、既存事業はうまくいっていないうえ、新規事業も忙しくて中々前に進まない。
理由は人員不足もありますが、何より既存事業に優秀な人材がいないということもあります。
解決策は既存事業の優秀な人材の確保です。
既存事業がうまくいかなければ、資金的な問題もあり、新規事業どころではなくなってしまいます。
そこで、前社長の登場ですね!
前社長に戻ってきてもらうことで、既存事業はよくなります。
なぜなら既存事業の強みは前社長の知識や人脈によるからです。
だから今までうまく継続できていたのですから。。
この人材を活用しない手はありません!
父と仲が悪い後継者にとってはかなり嫌なことではありますが、自分がやりたいことを成功させるためには仕方がありません。と伝えます。
既存事業に強い(当たり前だけど笑)社長が現場に戻れば、現社長は時間ができ新規事業にも注力できる。(もちろん既存事業も手伝います)
結果、 既存事業は売上が向上するうえ、 新規事業が軌道に乗れば後継者の目的も達成でき、周囲に加え前社長からも認められる存在になり、もう一石三鳥ですね!
しかも副産物として、後継者と前社長とのコミュニケーションも生まれる。
父としても嬉しいのではないでしょうか!?
このように説明すると、後継者の方は「確かにその通り!」と納得してくれました。
後継者の方も前社長をないがしろにしているのも気になっていたみたいですし、今後、高齢になる父とも会話もしていきたいと考えていたみたいです。
そこは会話の節々で感じていたので、ちょうど良い提案になりました。
結果、現社長は前社長にお願いして、前社長は喜んで現場復帰してくれました!
最初は嫌がる素振りを見せたみたいですが、本当は嬉しいくせに。。
親子経営者って面倒くさいですよね。笑
ただ、今後が楽しみな会社です!
今回は以上となりますが、後継者の方でもし既存事業がうまくいかない場合は、現状をしっかり分析すると共に、前社長を有効活用してください!
事業がうまくいかない理由は個人の考えに固執して、強みを活用していないからです。
前社長=会社の強み
残念ながら、これが現実なんですよね。。
まあ、働いてもらわないともったいないですよ!
少しでも参考になれば嬉しいです!
➡「自分は社長に向いていない」後継者が事業承継で悩んだ時にすべきこと
コメントを残す