こんにちは!
中小企業診断士で下町のコトラー、こっさんです。
先日、ある後継者の方といってもすでに社長になっている男性とお会いして色々とお話を聞きました。
ただ、その面談の条件が、、
会長(前社長であり父)がいない時間
だったのです!
理由は、息子である現社長は父である会長に頭が上がらず、会長がいると喋れなくなってしまうから。。
社長なのに切ない話ですよね。笑
いや!
笑っている場合ではありませんね!!
ここはしっかりと話を聞かねば!
という思いで面談させていただきました!
ただ、結構こういう後継者の方は多いんですね。
特に2代目です。
創業者である前社長は良い意味で頑固であり、自分の考えを持っています。
そして苦労しながらも会社を発展させてきた自負、自信があります。
一方で2代目は、一から会社を発展させたわけでもありませんし、そもそも経営に自信がない方も多いです。
当然ですよね。
なんせ、経営したことがないんですから。
なので、前社長は経営にめちゃ口出ししてくるわけです!
しかも、何とかして独立して会社を経営したい!という想いで社長になったわけでもありませんし、ワンマンで頑固な父(母)に色々と言われて育ち、父(母)の会社で働いてきたわけですから、父(母)に逆らえない環境が当たり前になっています。
結果、社長でありながら、社長ではないみたいな感じになっているんですね。
今回、面談させていただいた後継者の方もそんな感じでしたが、ただ、考えはしっかりしていました。
今後、会社でやりたいことがあり、ビジネスプランもあり、しっかりと勉強もしていたのです。
ビジネスプランは下記です。
- 既存事業は、以前に取引があった準大手ともう一度取引を打診する。
- 新規事業(やりたいこと)は、全会社での経験を活かした事業を行う。
- 赤字事業である飲食店を黒字にする。
1の問題は、前社長である会長が以前取引していたのですが、値段や取引条件、トラブル等で過去に苦い経験があり、この準大手が大っ嫌いなのです。
なので、取引をやめた経緯もあり、会長はOKを出さないんですね。
2は現社長が以前の会社で行っていた事業なので実現性は高いのですが、既存事業とは全く関係がないことなので、これも会長に認められるかどうか。。
3は会長の夢だった飲食店です。
ただ、こちらも既存事業とは全然違う事業となるため、今後どうしたらいいのか、、と現社長は悩んでいました。
現実問題として、1~3の全てに力を入れるのは人員的にも金銭的にもかなり厳しいです。
しかも、会長が最大のネックになっております。
なので、下記を提案しました。
- 現社長が以前に取引があった準大手ともう一度取引をすることで、会社にもたらすメリットと社長の熱意を示し、会長を説得する。
- 新規事業は全会社での人脈を活かし、前会社時の先輩と連携し、リスクを最小限に抑えつつ小さく進める。
- 赤字事業である飲食店事業を会長に委任する。
まずは1の既存事業ですね。
実はこの会社、売上に波がありここ数年間ずっと赤字なのです。
しかも、問題は暇を持て余している時間が多いことに加え、従業員はベテランが多くダラけており顧客への態度も悪いのです。
なので、準大手の仕事を受けることで売上の増加と暇な時間を減らすと共に、準大手の高度な仕事を受けることで従業員に喝を入れることができます。
準大手の仕事は質や納期に厳しいですし、準大手への対応マナーを強化できます。
マナーが悪ければ仕事が来なくなりますからね。
また、やりがいや責任感も生まれることで態度が変わる可能性もあります。
もし、それでもやる気がないとか態度が悪いのであれば、じっくり話し合って改善、最悪辞めてもらうことも視野に入ります。
このままでは会社は倒産する可能性もあるので、やる気もなければ態度も改めないのであれば、この会社には必要ない人材ですからね!
そして、2の新事業ですが、現社長がやりたいことです。
この事業はやるべきだと思います!
ただ、既存事業がうまくいっていないのに、既存事業とはほとんど関連がない新事業に力を入れると、ますます売上が下がる可能性が高いです。
なので、小さくリスクがない状況で進めます。
新事業は現社長が以前の会社で行っていた事業なのですが、その時の成功体験や知識、ノウハウがあります。
また、前会社時にお世話になった能力の高い先輩が今は独立して小さい会社ながら、同じ事業を行っているのです。
この先輩と連携します。
具体的には、先輩の会社に出資する形で、資金の提供を行うと共に経営や営業のお手伝いもします。
先輩としては資金力や元後輩である社長の能力を活かした運営や集客が可能になるため飛躍が見込めますし、元後輩である社長としては一から設備投資や集客を行う必要がないため、失敗するリスクが少なくなります。
プラス、既存事業に力を入れるため、しばらくは先輩に任せておくこともできますね。
そして、既存事業の売上が伸びれば、おそらく現従業員も成長しているでしょうし元々ベテラン人材が多いため、既存事業を任せられる人が出てくるはずです。
準大手とうまく取引ができ売上が伸びればですが。。
その従業員にある程度任せて、社長は新事業に力を入れていくのです。
最後の3ですが、社長は飲食店事業を辞めたいと考えています。
ただ、会長の夢であったため、現社長が辞めるわけにはいかないんですね。
問題なのは、この飲食店はずっと赤字を垂れ流しているうえ、既存事業とは全くシナジー(相乗効果)がないことです。
黒字であったりシナジーがあれば、無理に辞める必要もないのですが。。
なので、この事業は会長に全振りします!
もしくは別会社にしてもらうか。。
会長の夢であるため嫌がることはないでしょうし、赤字補填は会長の個人資産で賄ってもらうぐらいの気持ち(難しいかもしれませんが)でやってもらいます。
目的は2つ。
1つ、会長は今は暇なので社長時と違い全力を注ぐことができるため、全精力を注げば黒字になる可能性がある。
2つ目は、飲食店に全力を注がせて、既存事業にあまり口出しをしないようにさせること。
会長は暇なため、余計な口出しをしてしまい、社長が動きづらくなっているんですね。
良い方向に向かう会社もあるのですが、この会社ではマイナスになっています。
それを改善するのです!
以上となるのですが、重要なのは既存事業の準大手との取引再開です。
これに、この会社が今後生き残れるかどうかが懸かっています!
社長も分かっているのですが、中々会長を説得できずにいます。
今こそ、社長の覚悟を見せるべきなのです!!
あなたは社長なんです!
もう従業員ではありません!!
会長を説得できないようでは、この会社はもう終わりですよ!!
と、お伝えして今回の面談は終わりました。
社長を説得する喋り方やメリットの伝え方、覚悟の見せ方は助言しました。
たぶん伝わるはずです!!
今回の面談で確実に社長の意識も変わりましたし、次回に会うのが楽しみですね!
次回のお話はまたの機会で!!
➡会社後継者の不安は話す相手がいないから
コメントを残す